ガン検診について
ガンとはどういう病気なのか
ガンは遺伝子変異を起こした細胞が、元の臓器を離れても自律的かつ無制限に増殖するのが特徴です。血流やリンパの流れに乗って、細胞が他の組織に遠隔転移していきます。
基本的には、元の臓器で細胞が無制限に増殖するだけの場合は、良性腫瘍となるケースが多々あります。ただ、厄介なのが良性と悪性の境目は、明確に分けられないことです。生きていくのに必要な臓器に良性腫瘍が増殖した場合は、重篤な症状を引き起こします。
また、問題のなかった腫瘍が悪性腫瘍へと発展することもあるので、適切な経過観察が必要です。
どうしてガンになってしまうのか
人間の体には約60兆個の細胞があり、日々何度も生まれ変わって、新陳代謝を繰り返しています。その際、病気やストレスなどが要因で遺伝子のコピーにミスの生じることがあります。いわゆる遺伝子の突然変異と呼ばれている状況です。
突然変異そのものは誰にでも起こる可能性があります。そして人の体は、異常をきたした細胞があっても、排除する機能が備わっているのでほとんどのケースで大きな問題になることはありません。しかし、稀にそのような免疫の防御機構をすりぬける異常細胞が現れます。
そのような異常細胞が元の臓器から離れて、自己増殖をするようになると、ガン細胞として深刻な問題となるのです。
ガンは誰でもなる可能性がある病気です
2人に1人が、
一生のうちに
ガンになると言われています
国立がん研究センターの調査によると、75歳未満のガン患者死亡率は減っている傾向があります。しかし、高齢化によって患者さまの数は年々増加している状況です。統計データでは、一生のうちに何らかのガンに罹患する方は2人に1人。
ガンは誰でもなり得る身近な病気だからこそ、定期検診と早期発見が重要になってきます。
早期に見つかれば、
治る可能性が高まります
ガンと聞いて、重く捉えてしまうのは仕方ありません。しかし、医療の発達により、早期に発見できれば治せる可能性が高まっています。
また、身体的・経済的・時間的負担が、少なく済むケースもあります。そのためには、定期的なガン検診が大切です。例えば、子宮頸ガン検診のように、異常細胞を事前に発見することで、早期治療が期待できます。もちろん時間や費用などのデメリットもありますので、患者さまと綿密なコミュニケーションを行った上で適切なガン検診のご提案をします。
当院で行っているガン検診
肺ガン検査
胸部X線検査と喀痰細胞診を組み合わせて肺ガンの検査を進めていきます。胸部X線検査は肺の抹梢、喀痰細胞診は気管に発生する肺ガンを発見するのに役立ちます。
上記に加えて、低線量胸部CTを組み合わせれば、より精密な検査が可能です。実際に早期の肺ガンを発見できる確率を高める結果が報告されています。
大腸ガン検査
大腸ガン検診として科学的に認められている手法が「便潜血検査」です。2日分の便を採取し、便に混じった血液を検出します。大腸にガンやポリープなどがあると、血が出て、便に混じることがあります。血液はごく僅かなため、目に見えるものではありません。
胃ガン検査
胃カメラ検査を行い、胃ガンの早期発見につなげていきます。口または鼻から、小型のカメラを装着した細い管を挿入していく検査方法です。モニターで直接食道、胃、十二指腸を観察できるので、粘膜の微細な変化もはっきりとチェックできます。
X線やバリウムを飲む検査では、捉えるのが難しい病変や出血なども見つけることが期待できます。
前立腺ガン検査
血液検査によりPSA(前立腺特異抗原)の値を調べる検査を行います。PSA値が正常値より高くなります。ただ、前立腺肥大症や前立腺炎でも値が高くなることがあるため、異常値が出たとして、必ずしも前立腺ガンだとは限りません。
PSA値が高かった場合は、直腸内触診、超音波検査、前立腺MRI検査などの精密検査をご提案します。
検診時の持ち物について
津市の受診券をご持参ください。
健康診断について
近年、大きな社会的問題となっている糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病。これらは進行すると、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、糖尿病性腎症などの重大疾病のリスクを高めてしまいます。
しかし、初期段階だと体に違和感が生じないため、ご自身ではなかなか症状を防ぐことが困難です。そのため、そのような生活習慣病等をチェックする機会として、健康診断は効果があります。
自覚症状が現れる前に、病気を早期発見できれば、進行を食い止め、早期治療が期待できます。それは難病とされてきたガンも同様です。「最近健康診断を受けていない」「体調の悪い日々が続く」「最近すぐに疲れる」などのお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
知らないうちに手遅れになる前に、定期的に健診を受けましょう
当院で行っている健康診断
特定健診(津市)
特定健診とは、対象となる40歳以上75歳未満の被保険者全員にメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策として、糖尿病などの生活習慣病の発症を予防することを目的とした制度です。血圧、体重、身長、腹囲測定、診察、血液検査、尿検査、心電図検査を行い、必要に応じて心電図などの検査も行います。
一般健康診査
(企業健診、入社時健診など)
労働安全衛生法で定められた検査項目をご受診いただけます。法律で事業者は1年に1度、健康診断を実施することが定められています。企業の定期健診としてご利用できます。診断希望項目を受付にてお知らせください。団体での健診を希望される場合には事前にご連絡ください。