皮膚科

皮膚科について

皮膚科は患者さまの数が多い診療科目です。そのため、話を聞かず、ただ薬を処方するだけといった医院も少なくありません。しかし、皮膚疾患にかかると、かゆみで不眠になったり、見た目に影響が出て気分が落ち込んでいたりと不安を抱えがちになります。特に、アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹などが代表的です。
出来る限り、ゆっくりお伺いできる環境をご用意しておりますので、お悩みや症状、不安なことなどがあれば、お気軽にご相談ください。

主な症状と治療方法

アレルギー性皮膚炎
(アトピー性皮膚炎)

アトピー性皮膚炎は、身体の様々な部位に湿疹ができて、強いかゆみを引き起こします。また、症状が悪くなったり良くなったりを繰り返すのも特徴です。
ぜん息や鼻炎などのアレルギーがある、家族の中にアレルギーを持つ人がいる、アレルギーの原因となるIgE抗体を作りやすい体質である、皮膚の「バリア機能」が弱いなど、アレルギー性皮膚炎の原因は複雑です。

治療方法について

アトピー性皮膚炎の発症要因は複雑です。しかし、治療法としては大きく三つの軸から進めていきます。具体的には「薬物療法」「外用療法・スキンケア」「悪化因子の分析・対策」です。一人ひとりの患者さまの状況、ライフスタイル、既往歴などをもとに上記の治療を組み合わせていきます。 アトピー性皮膚炎で目指すべきなのは、まず炎症を鎮めて、皮膚のバリア機能を維持・改善することです。大変な道のりですが、少しずつ頑張っていきましょう。

蕁麻疹

身体の様々な部位の皮膚が赤く盛り上がり、激しいかゆみを引き起こす病気です。発症して6週間以内の「急性じんましん」は、時間が経過すると皮疹とかゆみが一気に無くなる特徴があります。
一方で6週間以上経過した場合を「慢性じんましん」と呼び、皮疹が出たり消えたりが長期間続く状態です。じんましんはアレルギーが関係していたり、疲労が溜まっていたり、物理的刺激によるものだったりと様々な要因が絡んでいます。

治療方法について

急性じんましんの場合、抗ヒスタミン薬もしくは抗アレルギー薬を処方します。飲み薬、塗り薬ともに効果は12~24時間程度で切れるので、かゆみが出たら再度使用するのが一般的です。
また、慢性じんましんの場合は、6週間以上続くため、発症要因を分析しながら治療・経過観察を続けていきます。例えば、原因アレルゲンの除去、暴飲暴食を避ける、不規則な生活を避ける、ストレスを蓄積しないなどが治療の鍵となります。

油断すると危ない
「蕁麻疹の重症度」

じんましんは、自覚症状が皮膚だけの場合は、急性・慢性問わず、少しずつ治まっていくケースがほとんどです。しかし、中には皮膚表面だけではなく、のどの粘膜に腫れを引き起こすことがあります。すると気道が狭くなり、喘息のように呼吸困難な状態となってしまうのです。
また、倦怠感、関節痛、発熱などの症状がある場合は内臓系の疾患も関係することがあります。このように皮膚疾患以外にも違和感が続く場合は、詳しい検査を行う必要があります。

虫刺され

虫刺されの代表的な症状は、痛み、かゆみ、腫れ、赤み、水ぶくれなどです。これらの症状は、虫に刺されるなどの物理的な刺激、注入された唾液や毒に対して起こるアレルギー反応によって生じます。虫刺されで怖いのが後者のアレルギー反応です。
アレルギー反応は「即時型反応」(すぐ症状が現れる)と「遅発型反応」(数日後に症状が現れる)に分けられ、虫の種類や体質次第では、体調不良、腹痛、意識障害などを引き起こすことがあります。一口に虫刺されと言っても、様々な種類があり、症状も多種多様です。
「虫刺されは、よくあることだから病院に行く必要がない」とお考えの方も多いかもしれませんが、決して甘く見てはいけない疾患です。

治療方法について

虫刺されは、強く掻くことで痒疹(ストロフルス)となる可能性がありますので、即効性のある外用薬を処方する必要があります。そのため、ステロイド外用薬を用いて、かゆみや腫れに対応していくのが基本です。短期間だけ使用することで、炎症後色素沈着を防ぎます。
また、痒みや炎症が激しいとき、伝染性膿痂疹(とびひ)を生じているときなどは、内服薬(痒み止めやステロイド)や抗菌薬を処方いたします。
虫刺されの中でも、マダニに刺された場合などは特殊な処置が必要です。ライム病やアレルギー反応を防ぐため、テトラサイクリンの投与もしくは虫体ごと皮膚を切除する可能性があります。

水虫

水虫は、カビの一種である白癬菌が、皮膚の角質層に寄生することによって起こります。
水虫と言えば、足に罹患するイメージが強く、実際にも水虫の患者さまの中で9割近くを占めると言われています。なぜなら体の部位で、足だけは靴を履くために蒸れて、カビが繁殖しやすい環境になることが多いからです。足にできる水虫は大きく、趾間型・小水疱型・角質増殖型の3つに分かれます。また、爪に感染する場合もあります。
既に水虫に感染した人の皮膚から白癬菌が剥がれ落ち、別の人が足で踏んでしまうことが、水虫に感染するケースとして多い傾向があります。ただし、菌が付着しただけで、すぐに水虫になるわけではありません。足を洗わずにいたり、角質が傷ついたり、免疫力が低下したりすると感染リスクが高まります。

治療方法について

水虫は放置していても治ることは、ほぼありません。放置すればするほど症状が悪化するため、早急に医院を受診し、抗真菌薬の塗り薬を使用しましょう。
基本的にはクリームタイプの塗り薬を処方しますが、患部がじゅくじゅくしているような場合は軟膏タイプの塗り薬を用います。水虫で重要なのは最後まで治療を継続することです。かゆみなどの症状がなくなっても、足の表面には水虫が残っていることがあります。途中で治療を止めてしまうと、再発するケースが多々あります。必ず医師の指示通りに塗り薬を使うようにしましょう。治療期間としては、個人差はありますが、4週間以上が平均的です。