予防接種は大人も重要です
定期予防接種のほとんどはお子さまが対象です。大人が接種するケースとして多いのは、インフルエンザワクチンがよく知られています。ほかには妊娠前の女性が行う風疹・水疱瘡・麻疹・おたふくかぜなどのワクチンも有名です。これらは胎児の先天異常や周産期感染、流産・早産を予防するために行われます。
しかし、それ以外にも最近問題になってきているのが、小さな頃に受けた予防接種の効力が弱くなる方もいることです。具体的には、麻疹(はしか)、風疹、日本脳炎、百日咳などが該当します。また、水疱瘡やおたふくかぜなどの予防接種を受けてない方もいらっしゃいます。これらは大人になってからかかると、重症化するケースもあるので非常に危険です。
免疫力には個人差があります。抗体値の検査などを含めて、周りの方を守るためにも定期的な予防接種をおすすめいたします。
※予防接種は、原則予約が必要です。まずは、お問い合わせください。
子どもの予防接種
① 【定期】B型肝炎ワクチン
お子さまが、B型肝炎ウイルスに感染すると慢性化してしまい、肝硬変のリスクが高まります。特に家族内や保育園などでの感染事例もあるため、ワクチンでの予防が効果的です。
ワクチンのスケジュールとして、1歳になる前に3回接種するのが基本です。ただ、妊娠中にB型肝炎だと判明した場合は、かかりつけ医の指導でB型肝炎ワクチンの接種時期が変わります。
- 接種期間について
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1回目(生後直後)4週間
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2回目(生後1カ月)1回目の接種から20~40週間3回目(生後6カ月)
- ※0歳までに3回接種
- ※1歳以上でも未接種の場合は、早めに接種することを推奨しています。
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② 【定期】ロタウィルスワクチン
ロタウイルスは感染力が非常に強いのが特徴です。そのため、手洗いや消毒などをこまめにおこなっているだけでは、予防することが難しく、ほとんどのお子さまが感染します。
約2日の潜伏期間の後、激しい嘔吐・下痢症状をもたらします。また、まれに内臓(脳や腎臓など)にも影響を及ぼすこともあるので、ワクチン接種は大切です。初めてロタウイルスに感染した時が、特に重症化しやすく、生後間もない時期の感染もあり得るので、ワクチン接種は早めに行う必要があります。
- 接種期間について
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ロタリックス(1価)の場合
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初回(生後8週~15週まで)4週以上2回目(生後24週まで)
- ※生後6か月を過ぎると接種することができなくなるので注意してください。
- ※()内は推奨期間です
ロタテック(5価)の場合
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初回(生後8週~15週まで)4週以上
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2回目4週以上3回目(生後32週まで)
- ※生後6か月を過ぎると接種することができなくなるので注意してください。
- ※()内は推奨期間です
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③ 【定期】ヒブ(Hib)ワクチン
ヒブ(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型:Hib)は、くしゃみや咳などを介して小さなお子さまに感染します。ほとんどの場合は無症状ですが、まれに1才未満で感染すると、敗血症、髄膜炎、急性喉頭蓋炎など命に関わる感染症に発展するケースがあります。
特にヒブは耐性菌が増えているため、抗菌薬でも治療が難しいこともあり、ワクチンによる予防が重要になってきます。
- 接種期間について
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生後2カ月~6カ月までに初回接種を完了する場合
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1回目27日以上
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2回目27日以上
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3回目7カ月以上4回目
※1回目~3回目までは12カ月まで完了してください。
生後7カ月~12カ月(1歳)までに初回接種を完了する場合
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1回目27日以上
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2回目7カ月以上3回目
1歳~5歳までに初回接種を完了する場合
1回のみの接種となります。
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④ 【定期】小児肺炎球菌ワクチン(PCV13)
肺炎球菌は多くのお子さまの鼻や喉に存在している、どこにでもいる細菌です。身体が元気なときには問題を引き起こしませんが、何らかの要因で身体の抵抗力が落ちている時には、重大な疾病に繋がることがあります。特に2歳以下のお子さまが感染すると、重篤な髄膜炎を引き起こし、重篤な後遺症を残すリスクが考えられます。
肺炎球菌を要因とする髄膜炎は、進行が早く、一晩のうちに容態が急変することもある恐ろしい疾患です。このようなケースを防ぐためにも、早めにワクチン接種を完了させましょう。
- 接種期間について
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生後2カ月~6カ月までに初回接種を完了する場合
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1回目27日以上
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2回目27日以上
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3回目60日以上4回目(1歳~1歳3カ月)
- ※生後12か月(1歳)になるまでに3回目までの接種が定められています。
もし過ぎてしまった場合でも、追加接種は可能です。 - ※()内は推奨期間です
生後7カ月~11カ月までに初回接種を完了する場合
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1回目27日以上
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2回目60日以上3回目(1歳以降)
- ※生後12か月(1歳)になるまでに3回目までの接種が定められています。
もし過ぎてしまった場合でも、追加接種は可能です。 - ※()内は推奨期間です
2歳~4歳までに初回接種を完了する場合
1回のみの接種となります。
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⑤ 【定期】四種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)、三種混合、二種混合ワクチン
混合ワクチンは、複数のワクチンがはじめから1本の注射液に混合して含まれているもので、それぞれ下記の予防効果があります。
- 四種混合ワクチン…
ジフテリア、百日せき、破傷風及びポリオ(急性灰白髄炎)を予防 - 三種混合ワクチン…
ジフテリア、百日せき、破傷風を予防 - 二種混合ワクチン…
ジフテリア及び破傷風を予防
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ジフテリアとは
のどや鼻に感染し、症状は発熱、嘔吐、のどの痛み、犬吠え様のせきなどです。眼球や横隔膜(呼吸に必要な筋肉)などの麻痺、心不全等を来たして、重篤になる場合や亡くなる場合があります。
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百日咳とは
風邪のような症状で始まりせきがひどくなり、顔をまっ赤にして連続的にせき込むようになります。けいれんや、肺炎・脳症などの重い合併症が致命的になることがあります。
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破傷風とは
土壌中の菌が傷口から体内に入ることによって感染します。神経麻痺、筋肉の激しいけいれんや呼吸困難などをおこし、死亡率が高い病気です。
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ポリオとは
「小児まひ」とも呼ばれ四肢に麻痺をおこします。日本ではワクチンの高い接種率により自然感染による患者発生はありませんが、ウイルスがいつ海外から入ってくるかわかりません。
- 接種期間について
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【定期】四種混合ワクチン(百日咳/破傷風/ジフテリア/ポリオ)
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1回目20日~56日
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2回目20日~56日
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3回目6カ月以上 (生後12カ月~18カ月)4回目
※生後12か月(1歳)になるまでに3回目までの接種が定められています。
もし過ぎてしまった場合でも、追加接種は可能です。【定期】二種混合ワクチン(ジフテリア/破傷風)
11歳~13歳未満で、1回のみ接種となります。
※百日咳予防のため、二種混合の代わりに三種混合ワクチンを接種することも可能です。
上記ほか、任意接種として5歳~7歳未満の間に、百日咳予防のため「三種混合」ワクチンや、ポリオ予防のための「不活性化ポリオ」ワクチンを追加接種することが出来ます。
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⑥ 【定期】BCGワクチン
1度結核に感染すると、結核の菌が全身に及んだり、髄膜炎になったりするなど、重篤な後遺症を残す可能性があります。
結核に対する抵抗力は母親から受け継がれません。そのため、生まれたばかりの赤ちゃんも結核にかかることがあります。
予防として効果的なのがBCGワクチンです。接種後10~15年効果が持続すると言われています。出来るだけ早期接種を行い、適切に予防していきましょう。
- 接種期間について
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生後12カ月未満に達するまでに接種します。(通常5〜8カ月頃までに接種することが多いです。)
1回のみの接種となります。
⑦ 【定期】麻しん・風しんワクチン(MR)
<麻しん>咳やくしゃみを介して麻しんウイルスが感染することで起こります。特徴的な症状としては、高熱、咳、鼻水などです。厄介なのが、熱が下がった後も、多くの場合再度高熱を発症し、全身に発疹が現れます。麻しんは、肺炎や脳炎などの合併症も多いのが特徴です。ウイルスに感染した直後は問題なくとも、数年後に発症し、亜急性硬化性全脳炎を引き起こし、深刻な後遺症を残すこともあります。
<風しん>麻しんと似ていますが、風しんは発熱、発疹、首のリンパ節の腫れが特徴的です。通常時は3日程度で治り、発熱がないケースもあります。ただし、重症化すると脳炎や血小板減少性紫斑病の合併症リスクが高まります。また、妊婦さんが感染すると生まれてくるお子さまが先天性風疹症候群を生じることがあるので、事前のワクチンが重要です。
- 接種期間について
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1回目1歳~2歳の
誕生日前日まで2回目5歳~7歳未満
(小学校入学前)
※地域で流行している際は生後6カ月以降でも接種可能。
その場合は、既定の回数には含めず、別途規定通りの接種を行います。 -
⑧ 【定期】水痘ワクチン
水痘帯状疱疹ウイルスによって発熱、強いかゆみを引き起こします。「みずぼうそう」とも呼ばれています。潜伏期間は2週間から3週間で、発症すると全身に様々な大きさの紅斑や水疱が生じるのが特徴です。時間が経過すると、かさぶたになり、跡は残らなくなります。
しかし、熱性けいれんをおこすと、後遺症のリスクが高まるので注意しなければなりません。水痘は感染力が非常に強いため、早めの予防が大切です。
- 接種期間について
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1回目1歳以降3カ月以上2回目3歳の誕生日前日まで
- ※1~13歳未満が対象のワクチンで、初回接種は1歳以降、できるだけ早めの接種が効果的です。
- ※13歳以上の接種は、1回目~2回目の間隔は4週間以上空けてください。
上記ほか、任意接種として1歳以降全年齢接種可能です。
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⑨ 【定期】日本脳炎ワクチン
日本脳炎はヒトから直接感染することはありません。多くの場合、ブタなど家畜の体内で増えたウイルスが蚊を媒介にしてヒトに感染します。
潜伏期間は1週間から2週間で、その後、急性脳炎を発症し、発熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状を引き起こします。ワクチンによって早めに免疫を作ることで、適切に予防することが可能です。
- 接種期間について
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1期:生後6カ月~7歳6カ月までが対象
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1回目6日以上(6~28日)
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2回目6カ月以上3回目
2期:9歳~13歳誕生日前日までが対象
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3回目7歳6カ月~9歳未満は定期接種対象外4回目
現在は、特例措置が取られ、接種見合わせの間の不足回数分を定期接種として受けられます。
1995年(平成7年)4月2日生まれ~2007年(平成19年)4月1日生まれの方は、特例措置が適用されます。 -
⑩ 【定期】ヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチン
ヒトパピローマウイルス(HPV)は感染したとしても、ほとんどの場合すぐに体外へ排出されて、トラブルを起こすことがありません。
しかし、ごく稀に長期間ウイルス感染が続き、子宮頸ガンを発症することがあります。つまり、ヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチンは、感染症を防ぐことで、子宮頸ガンを間接的に予防する効果が期待できます。
- 接種期間について
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2価ワクチンの場合
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1回目1カ月
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2回目2カ月以上3回目
- ※1回目~3回目までは6カ月まで完了するようにしてください。
- ※標準的な期間での接種ができなかった場合は、1回目~2回目は1カ月以上、2回目~3回目までは2カ月半以上かつ、1回目~3回目までは5カ月半以上空けてください。
- ※10歳以上で任意接種が可能です。
4価ワクチンの場合
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1回目1カ月以上
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2回目3カ月以上3回目
- ※1回目~3回目までは6カ月まで完了するようにしてください。
- ※標準的な期間での接種ができなかった場合は、1回目~2回目は1カ月以上、2回目~3回目までは3カ月半以上あける
- ※10歳以上で任意接種が可能です。
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⑪ 【任意】おたふくかぜワクチン
耳の下の耳下腺やあごの下の顎下腺が炎症を起こすので、「ほっぺ」から「あご」にかけて腫れて痛がります。多くの場合、左右とも腫れますが、片側だけのこともあります。
原因はムンプスウイルスによる感染で、咳やくしゃみで近くにいる人にうつり、保育園や幼稚園で流行することがあります。幼稚園や保育園に入る前にワクチン接種を行い、事前に予防することが大切です。
- 接種期間について
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初回1歳以降4週間2回目5歳~7歳未満(小学校入学の1年前)
- ※初回の接種は1歳になったら早期に接種することが推奨されています。
- ※()内は推奨期間です
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⑫ 【任意】インフルエンザワクチン
インフルエンザウイルスは感染力が非常に強く、広い範囲に流行するのが特徴です。厄介な点が、喉や鼻の中の粘膜に付着すると一気に増え始めることです。平均2日の潜伏期間を経て、咳や熱、関節痛などがの症状が一気に現れます。
基本的には11月下旬辺りから、会社や学校などで集団感染する傾向が強いので、その時期までにはワクチンの接種を完了しておきましょう。
- 接種期間について
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1回目2~4週間2回目
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- インフルエンザワクチンについて当院の方針
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日本のインフルエンザワクチン添付文書(薬の説明書)では、生後6か月以上で12歳まで(13歳未満)は2回ずつ、10月ごろに1回目を接種し、およそ2~4週間(できれば4週間)あけて2回目を接種すると記載されています。 13歳以上は通常1回接種です。添付文書に記載されている接種量と接種回数は以下の通りです。
- 6カ月以上3歳未満の方 1回0.25mL 2回接種
- 3歳以上13歳未満の方 1回0.5mL 2回接種
- 13歳以上の方 1回0.5mL 1回接種
しかし、WHO(世界保健機関)や米国では、生後6か月~8歳まで(9歳未満)で初めて接種を受ける場合は2回接種ですが、翌年からは毎年1回の接種を続けるよう勧めています。9歳以上は初年度から毎年1回接種です。
そのため、当院では、費用や苦痛と効果のバランスから、
- 9歳(小学3年生)以上は1回接種
- 8歳(小学2年生)以下で昨年接種した人は1回接種
- 8歳(小学2年生)以下で昨年接種していない人は2回接種
を基本的にはお勧めしています。
しかし、みなさまそれぞれの背景や思いをうかがった上で、添付文書通りに12歳以下2回接種していただくこともできます。
インフルエンザワクチン接種は重症化予防という点で重要ですが、日頃のマスク着用、手洗い、人混みを避けるなどの行動様式がインフルエンザ予防に何よりも効果的だと考えています。 インフルエンザ流行期には院内の感染対策をさらに徹底し、みなさまに安心して受診していただけるよう努めてまいります。
お持ちものについて
- 母子手帳
- 接種券冊子
- 保険証
- こども医療費受給者証(受給されている方)
大人の予防接種
① 【定期】肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌は体の鼻や喉などに当たり前にように存在している細菌です。ただ、何らかの要因で身体の抵抗力が落ちているときに感染することがあります。そこで、体の抵抗力が落ちる高齢者を対象に、2014年より肺炎球菌ワクチンが定期接種となりました。ワクチン不足を防ぐため、全ての方が定期接種の対象ではない点にご注意ください。
そのほか、2歳以上で脾臓の摘出手術を受けた方は健康保険が適用されます。下記項目に該当する場合は、ワクチン接種することをおすすめします。
接種対象項目
- 2023年度末までに、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳を迎えられる場合
- 接種する日に満60~64歳であり、心臓、腎臓、呼吸器の機能の障害、ヒト免疫ウイルスによる免疫機能の障害のある方
接種対象項目
- 脾臓摘出をした方の肺炎球菌予防(健康保険適用有り)
- 鎌状赤血球症・脾臓能不全・心臓や呼吸器の慢性疾患・腎不全・肝機能障害・糖尿病・慢性髄液漏症の基礎疾患がある方
- 免疫抑制剤治療の予定がある方(治療開始まで14日以上の余裕がある場合)
- 接種期間について
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1回のみ接種となります。接種間隔は5年以上空けてください。
② 【定期】インフルエンザワクチン
インフルエンザウイルスは鼻や喉を介して体に侵入した後、細胞に侵入して急速に増殖を始めます。この状態が「感染」フェーズです。インフルエンザワクチンは感染を完全に抑える働きはありませんが、重症化を防ぐ効果は期待できます。
希望する方はどなたでも接種可能です。家庭内や職場での感染を防ぐために、ぜひ積極的にワクチンを受けましょう。
接種対象項目
- 60歳以上65歳未満、また65歳以上で、心臓や腎臓・呼吸器機能に障害のある方
- HIVウィルスの影響で、免疫機能に障害のある方
- 接種期間について
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1回のみ接種となります。接種間隔は5年以上空けてください。
- インフルエンザワクチンについて当院の方針
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インフルエンザワクチン接種は重症化予防という点で重要ですが、日頃のマスク着用、手洗い、人混みを避けるなどの行動様式がインフルエンザ予防に何よりも効果的だと考えています。
インフルエンザ流行期には院内の感染対策をさらに徹底し、みなさまに安心して受診していただけるよう努めてまいります。
③ 【任意】B型肝炎ワクチン
B型肝炎は「急性肝炎」と「慢性肝炎」に分かれます。急性肝炎は、肝炎ウイルス、薬物の影響、免疫状態の異常などにより、肝機能が急速に悪化することです。
症状としては、発熱・倦怠感・嘔吐感・黄疸などがあります。約2%の確率で重症化し、命に関わることもあるため、肝臓移植を行う場合もあります。
一方で慢性肝炎とは、出産時などのタイミングでHBV感染し、持続感染に移行した状態です。生後数年~数十年間はウイルスが体内で共存しています。これを「無症候性キャリア」と呼び、慢性肝炎に移行した後、肝硬変・肝ガンになるリスクの高い状態です。
- 接種期間について
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1回目4週間
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2回目3回目
※1回目~3回目までは20~40週間空けてください。
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④ 【任意】A型肝炎ワクチン
A型肝炎ウイルスが付着した食物やウイルスが蓄積した貝などを摂取した際に感染します。
潜伏期間は2~6週間程度。発熱、食欲不振、倦怠感、黄疸などの症状があらわれ、完治までに時間がかかるのが特徴です。合併症としては、急性腎不全、貧血、心筋障害などのリスクもあるため、重症の場合は1ヶ月以上の入院治療が必要になるケースも考えられます。下記項目に該当する場合は、ワクチン接種することをおすすめします。
接種対象項目
- A型肝炎流行地域へ渡航する、また渡航予定がある場合
- 接種期間について
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1回目2~4週間
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2回目3回目
- ※全年齢接種可能です。
- ※1回目~3回目までは24週間空けてください。
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⑤ 【任意】破傷風トキソイドワクチン
破傷風菌が傷口から体内に入って増加し、毒素を生み出して筋肉をけいれんさせる病気です。深い傷のみではなく、ガーデニングなどでできる小さな傷でも起こることがあります。
下記接種対象の項目に該当する場合は、ワクチン接種をお勧めします。
接種対象項目
- 接種歴が3回ない方
※接種歴が3回あっても、10年ごとに1回接種することを推奨しています。
- 接種期間について
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1回目3週~8週間後
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2回目3回目
※1回目~3回目までは12~18カ月空けてください。
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⑥ 【任意】MRワクチン(麻しん・風しん)
妊婦、とくに妊娠初期の女性が風しんにかかった場合、赤ちゃんにも感染し、耳が聞こえにくい・目が見えにくい・生まれつき心臓に病気があるなど「先天性風しん症候群」という病気にかかってしまうことがあります。そのため、妊娠可能年齢の女性はもちろんですが、妊婦に感染させる可能性のある男性も接種をお勧めします。
- 接種期間について
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1回目1カ月以上2回目
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⑦ 【任意】おたふくかぜワクチン
先進諸国で唯一、おたふくかぜワクチンが定期接種になっていないのが日本です。そのため、ムンプスウイルスによるおたふくかぜは、数年ごとに流行を繰り返し、多くの方が罹患しています。罹患しても軽症で終わる場合もありますが、なかにはムンプス難聴、精巣炎、卵巣炎、膵炎などの重い合併症を起こすこともあります。
無症状でも他人に感染させたり、子育て中にお子さまから、うつされたりするケースもあるため、大人もワクチンによる予防が重要です。おたふくかぜは生ワクチンのため、妊娠中は接種できません。妊娠前に周りのご家族と一緒に、2回接種を受けるようにしましょう。
- 接種期間について
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1回目1カ月以上2回目
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⑧ 【任意】水痘・帯状疱疹ワクチン
水痘と聞くと、お子さまがかかるイメージはございませんか?
しかし、2016年3月には50歳以上の方を対象に、帯状疱疹予防として、従来の水痘ワクチンの使用が承認されました。なぜなら、帯状疱疹も水痘と同じウイルスだからです。
乳幼児に水痘にかかった場合、ウイルスは身体の中にずっと潜んでいます。そして、シニアになって免疫の機能が低下してから、帯状疱疹として再度発症することがあるのです。
- 接種期間について
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生ワクチン 不活性化ワクチン 接種回数 1回 2回(2〜6ヶ月あけて) 接種方法 皮下注射 筋肉内注射 予防効果 67% 89% 副反応頻度 1% 6〜11%(筋肉痛が多い) 費用 安価 高価 接種対象者 50歳以上
免疫力が低下する疾患に罹患されている方や免疫力を抑える薬を服用されている方は接種できません。50歳以上
特に制限はありませんメリット 不活化ワクチンと比べて強い免疫を獲得できます。 一般的には、重篤な副反応はできにくいとされています。 デメリット 不活化ワクチンよりも副作用が出やすい可能性があります。 生ワクチンとくらべて免疫を獲得しにくいため、予防接種を複数回受ける必要があります。
⑨ 【任意】日本脳炎ワクチン
コガタアカイエカなどが、ウイルスの増殖したブタなどを刺し、その後にヒトに刺すことで感染します。ヒトからヒトへの感染はありません。
症状が現れないこともありますが、なかには中枢神経に深刻なトラブルを引き起こすケースも考えられます。大人の場合、日本脳炎ワクチンは追加接種が可能ですので、気になる方は早めに予防接種を受けましょう。
- 接種期間について
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1回目1週~4週間後
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2回目1年後3回目
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⑩ 【任意】HPVワクチン(ヒトパピローマウィルス)
国立がん研究センターの調査によると、日本では年間約1万人が子宮頸ガンと診断されている状況です。
多くの場合、自覚症状がないまま発症・進行し、30代後半から40代の患者さまが多数を占めます。妊娠・出産に影響を及ぼすのはもちろんですが、生命に関わるケースもあります。
子宮頸ガンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によってリスクが高まるので、ワクチンの予防接種と定期的な検診が有効です。
- 接種期間について
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2価ワクチンの場合(3回接種)
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1回目1カ月
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2回目3回目
※ 1回目~3回目までは6カ月空けてください。
4価ワクチンの場合(3回接種)
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1回目2カ月
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2回目3回目
※ 1回目~3回目までは6カ月空けてください。
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大人の予防接種費用について
- 肺炎球菌ワクチン(23価)9,000円
- インフルエンザワクチン3,500円
- B型肝炎ワクチン7,000円
- A型肝炎ワクチン9,000円
- 破傷風トキソイド5,000円
- MR(麻疹・風疹)ワクチン10,000円
- おたふくかぜワクチン8,000円
- 水痘・帯状疱疹生ワクチン9,000円
- 日本脳炎ワクチン 8,000円
- HPVワクチン(ヒトパピローマウィルス)18,000円
※全て税込み価格になります。
大人の予防接種における注意事項
- 接種当日、体調が優れない場合は、接種をお控えください。
- 生ワクチンの接種後、その他の生ワクチンを受ける際は、27日以上間隔を空ける必要があります。
- 接種当日は、安静に過ごしていただき、過度な運動は控えてください。
- 細菌感染防止のため、接種箇所は清潔に保ってください。
- 接種後、高熱・けいれんなどの異変が起きた場合は、すぐに医院へご相談ください。